代表理事挨拶
2019年より水島 洋 前代表理事の後任としてITヘルスケア学会第4代目の代表理事を拝命しております.このたび学会ホームページが一新されましたので,改めてご挨拶させていただきます.
ITヘルスケア学会は,1994年に当時全盛期を迎えていたパソコン通信のユーザーグループにより設立された「日本コンピュータサイエンス学会」を母体としています.日本コンピュータサイエンス学会は,医療従事者,理学・工学研究者等がコンピュータサイエンスに関する情報をユーザーの立場で交換する学術団体として活動を続け,2006年に社会状況の変化に対応するために組織を改編して「ITヘルスケア学会」として生まれ変わりました.
当学会は,大学,研究機関,医療機関,企業および医療・介護サービスの従事者等が,ICT(情報通信技術)の応用に関する成果を多様な視点から発表し,健康福祉の増進を通じて社会に貢献することをめざしています.この目的を達成するために,従来の学会の枠組みを超えて個人や企業が連携し,効果的・効率的なヘルスケアの実現を支援する環境を整えることに努めてきました.その対象は,医療・介護・健康関連分野を中心に,電子カルテ,PHR (Personal Health Record) に始まり,地域医療連携,在宅・遠隔医療,ウェアラブルデバイス,生体センシング,AI,ロボット,シミュレーション,サイバーセキュリティ等から,RWD (Real World Data) 解析,高齢者支援,災害・感染対策に至るまで,これからの社会を支えていくために必要な広範囲の技術・サービスに及んでいます.
これらの新しい技術や社会システムについて議論し情報発信を続けるために,当学会は,定期学術大会の他に多くの分科会,シンポジウム等を随時開催しています.最近の調査では,これらのイベントへの参加者の職種は,大学研究者,医療従事者,企業関係者がそれぞれ約3割,学生等が1割という構成でした.定期学術大会は,若手研究者の研究成果や企業の先進的な取り組みを発表し論文化する場を提供する重要な使命も担っています.現在の会員数は一般会員,学生会員,団体会員併せて約400名と小規模ではありますが,これらの活動を通じて業種や世代を超えた人的交流が盛んであることは当学会の大きな特色といえます.学会設立以来,多くの会員がこのネットワークを有効活用し,活動の場を広げていきました.
2020年に始まったコロナ禍により,これらの活動は残念ながら縮小を余儀なくされています.一方,パンデミックとの長い戦いの中で,わが国のデジタル化の遅れが露呈し,ヘルスケア領域でもICTの重要性が増し,デジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性が痛感されています.当学会も,学術大会やシンポジウムをオンライン開催することにより活動を維持しながら,コロナ後を見据えてこれまでの取り組みをさらに推進していくことを模索しております.
今後,対面での活動が再開されていくと思われます.当学会は,引き続き社会への情報発信を続け,若手研究者の学会活動の登竜門となるとともに,ヘルスケアDXをデザインし具現化をめざす場としての役割を果たしていきたいと考えます.設立後四半世紀が経過し,学会組織の強化と役員の世代交代を進めていくことも運営面での課題となっています.今後とも当学会へのご支援,ご指導を宜しくお願い申し上げます.
2022年10月
一般社団法人ITヘルスケア学会代表理事
国際医療福祉大学臨床医学研究センター
磯部 陽
設立目的
大学,研究機関,医療機関,企業および医療・介護等にかかわる人びとが,情報通信技術の応用に関する成果を多様な視点から発表,交流し,健康福祉の増進を通じて社会に貢献する.
(2006年2月27日 「ITヘルスケア学会設立趣意書」より)
沿革
- 1994年2月 「コンピュータサイエンス研究会」発足
- 1994年8月 「日本コンビュータサイエンス学会」に名称変更
- 2006年4月 「ITヘルスケア学会」に名称変更
- 2006年11月ITヘルスケア学会開設記念シンポジウム開催
- 2006年9月 学会誌「ITヘルスケア」創刊
- 2007年5月 第1回学術大会開催
- 2015年5月 一般社団法人化
- 2016年5月 第10回記念学術大会開催
- 2018年6月 学会英文名称を ”Japan Society of IT Healthcare” に変更
歴代会長/代表理事
日本コンピュータサイエンス学会
- 1994~2000年 法橋尚宏(東京大学医学部家族看議学)
- 2000~2005年 陶山昭彦(放射線影響研究所疫学部)
ITヘルスケア学会
- 2006年~2009年 三友仁志(早稲田大学大学院アジア太平洋研究科)
- 2010年~2015年 中村 肇(大阪市立大学大学院医学研究科)
- 2015年~2018年 水島 洋(国立保健医療科学院 研究情報支援研究センター)
- 2019年~ 磯部 陽(国立病院機構東京医療センター/国際医療福祉大学臨床医学研究センター)
主な活動内容
- 定期学術大会の開催(年1回)
- 分科会の開催
- 学会誌の刊行
- 情報通信技術・ヘルスケア関連研究の実施および支援
- 関連学会,研究会,シンポジウムなどの共催・後援
- 会員への情報発信
定款
委員会
- 編集委員会 委員長:山下和彦
- 広報委員会 委員長:酒井三奈子
分科会
- 在宅医療とIT分科会 担当:高瀬義昌
- 医療ブロックチェーン研究会 担当:水島 洋
- 移動体通信端末の医療応用に関する分科会(モバイルヘルスシンポジウム) 担当:木暮祐一/宮田俊男
- AI・RPA研究会 担当:高瀬義昌/山下和彦
会員数
- 一般会員 317名
- 学生会員 63名
- 団体会員 10団体
(2022年2月1日現在)
ロゴについて
<準備中>
事務局
〒100-0013
東京都千代田区霞が関1-4-1日土地ビル10階弁護士法人 フェアネス法律事務所内
office◆ithealthcare.jp(◆を@へ変えてください)
学会からの提言
オンライン診療の推進に関する政策提案
2020年11月 「移動体通信端末の医療応用に関する分科会」分科会長 木暮祐一